目やに・充血・かゆみ

小さなお子様は風邪をひいて体調が悪い時などに細菌性の結膜炎による目やに・充血などがしばしば見られます。
またアレルギー性の結膜炎は近年非常に多く見られ、春や秋の花粉症の時期に限らず、ハウスダストによるアレルギーなど、通年性のものも増えています。目の痒みは非常に不快な症状であるとともに、生活上でも集中力が落ちたりと影響がでますのできちんとした治療が大切です。
またウィルス性の結膜炎では感染性が非常に強く、保育園や小学校でしばしば流行し、家族内でも感染が広がってしまうことがあります。検査キットによる迅速な診断が可能です。

先天性鼻涙管閉塞症

先天性鼻涙管閉塞症とは生まれつき目から鼻腔へつながる涙道(涙の流れ道)が鼻腔への開口部で閉塞している病気です。典型的には薄い膜状の組織が原因で閉塞しています。
症状は常に涙がたまって目がうるうるしていて目やにが多く見られることが多いです。生後12ヶ月での自然治癒率は96%との報告もあり、通常は生後6ヶ月以上は経過を見ます。目やにが多く見られる時は一時的に抗菌点眼薬を使用します。

自然治癒が得られない時の治療は細い針金状の器具をまぶたにある涙点から挿入して閉塞部位をやぶって解放するプロービングが行われます。ただし精密な操作が必要なため頭を固定して行う必要がありますが、月齢が進んで力が強くなると固定が難しくなります。生後12ヶ月以上では全身麻酔での処置が必要になります。プロービングは上手に行うと治癒率はとても高い物ですが、自然治癒率が高いことから、その実施時期については議論が分かれるところです。実際には親御さんと相談して治療を決めます。当院ではプロービングが可能ですのでご相談下さい。

視力・斜視

当院では常勤の視能訓練士による精密な検査が可能です。

乳児の目の向きが気になるといったお母様からのご相談がしばしばあります。まぶたの内側のひだが発達しているお子様では見かけ上の内斜視のことも多くありますが、乳児期から発症する内斜視では早めの対応を要します。
強い遠視がある時に起こる調節性内斜視では眼鏡を装用することで眼位の改善をはかり視力の発達と共に経過をみていきます。

左右の目の屈折(度数)に大きな差がある場合に、屈折の大きいほう、つまり見にくい目の方の発達が悪くなり弱視になることがあります。眼鏡の装用やアイパッチ(遮蔽訓練)を行い視力の発達を促します。当院では視能訓練士による管理が可能です。

学童期またはそれ以前から近視による視力低下のお子様が増えています。日常の生活で見えにくそうにしていたり、顔を傾けて物を見たりと、気になる様子がある時にはきちんとした検査をお勧めします。